人事の基本は、企業の競争優位を生み出すために、その源泉である「人」の能力をいかに発揮させるか、です。
そして、その「人」というのは、得てして「普通の人」です。もちろん、コンサル会社や弁護士事務所をはじめとした、特殊技能集団もあるにはありますが、一般的な企業を構成する大多数は「普通の人」なのです。
日本の人事パーソンは優秀な人が担っていることが多いからこそ、「普通の人」の感覚を忘れて、複雑な人事制度を作りがちです。しかし、複雑な人事制度は、制約やルールでがんじがらめになり、却って活力を奪ってしまいます。
人は活力があればあるほど、つまり、やる気を出せば出すほど、生産性が高くなることがわかっていますから、「普通の人」が働きやすいシンプルなものでなければ、企業の発展にはつながりません。
人事を貫く考え方の中心に、「社員は普通の人」として扱うことを据えてください。